第12回「旧三塩軌道」(6月21日放送)
かつて、三富村・現在の山梨市三富から、
甲州市の塩山駅までの約36キロを、
トロッコ軌道「三塩軌道」が走っていました。
昭和6年に開通し、昭和40年代まで、
木材搬出に活躍した三塩軌道は
現在道路として使用されたり、トンネルが残っています。
作業は、伐採を専門にする者、
丸太をトロッコに積む「積子」。
トロッコを操作して運ぶ「トロ屋」など、分業で行われました。
塩山までは、標高差1,300メートルの自然勾配を
1台に一人の「トロ屋」が、
「せび」と呼ばれるブレーキを巧みに操って下る、
大変危険なものでした。
トロッコでは木材とともに、石材や繭、家畜を搬出、
村に戻る際には、米などの生活物資の運搬にも利用されました。
国道の整備と共に自動車輸送に変わり、
昭和43年に歴史を終えました。
軌道の殆どは、道路や農道となりましたが、
残されたトンネルは廃墟独特の新しい魅力を身にまとい、
今も静かにたたずんでいます。
2016年7月8日 14:20