紹介した建物

第17回「御坂隧道」(7月26日放送)

第17回御坂隧道フォーマット

 

県道708号・御坂路にある御坂峠。
太宰治が逗留した「天下茶屋」の脇に、「御坂隧道」はあります。

昭和4年、自動車の普及に対応するため、旧国道8号線が笹子峠越えから御坂峠経由に変更されました。

そして昭和6年、全長394メートル、幅4.5メートル、高さ4メートルのトンネルが開通。
断面は蒲鉾型、坑内の覆工にはコンクリートが使われています。

「御坂口」から、緩い勾配で137メートル上ってから、「河口湖口」まで、今度は下り坂。
そのため、どちらの入り口からも、反対側は見えない構造となっています。

総工費は84万円、現在の50億円以上。
工事日数は約400日、作業人員は延べ36万人。世界的な不況の中、失業者の救済も図られましたが、低賃金に加え、きつい労働。
工事は困難を極めました。

暗闇の中で、唄いながら行われた建設作業。
工事に携わった人々の多大なる貢献が、峠越えを容易にしたのです。

2016年7月26日 23:00