第21回「山梨中央銀行東京支社」(8月23日放送)
東京都千代田区、JR神田駅のほど近く。
オフィスビルに囲まれ、小ぶりながら、重厚な趣を感じさせる建物があります。
昭和4年竣工の、山梨中央銀行東京支店。
基壇部の上に、柱を並べたファサードは、
昭和前半の銀行建築の、典型的なスタイルです。
手入れの行き届いた、シンプルで美しい外壁。
入り口のドアは、当時のままのもの。
中へ入ると…、2階まで吹き抜けの広い空間が。
周囲にはぐるりと、キャットウォーク。
窓のメンテナンスも、容易です。
大理石のカウンターや、
床のタイルも、ほぼ竣工当時のまま。
壁から出ているベルトは、
窓の内側のシャッターを開け閉めするもの。
昔ながらの装置は、現在も毎日使われています。
地下も当時のまま残っています。
太平洋戦争時には、近所の人々が逃げ込む、
防空壕の役割を果たしました。
昔は周囲に大きな建物がなく、
上野から、この建物と三越だけがよく見えたと言います。
平成10年には、
千代田区の「景観まちづくり重要物件」に指定されました。
3階には県人会事務局があり、
山梨と東京をつなぐ拠点のひとつとして、
長く親しまれている建物です。
2016年8月23日 23:00