第27回「謝恩碑」(10月4日放送)
甲府市民の憩いの場、
甲府城跡の舞鶴城公園の中央部に、
高くそびえる石柱があります。
大正9年に作られた「謝恩碑」です。
高さは約30.3メートル。
地面より約5メートル下から、
2段ごとに玉石や礫で固められた、
48段の花崗岩が台形に積み上げられ、
その上に、古代エジプトの記念碑「オベリスク」を模した、
11個の花崗岩が積まれています。
古代エジプトの神殿の門、
「パイロン」型の台もつけられました。
明治の末、山林の荒廃が進み、度重なる水害が発生。
その復興のため明治天皇は、
明治44年3月11日、
県内にあった皇室の山林を御下賜されました。
現在の「恩賜林」です。
「謝恩碑」は、その感謝として、
旧神金村荻原山・現在の甲州市の、
恩賜林内から切り出された花崗岩を使い、
3年をかけて、建設されました。
県は3月11日を「恩賜林記念日」と制定。
大正6年には「恩賜林記念日の歌」も作られ、
小・中学校で歌われるようになりました。
現在は県の行事として、毎年3月11日に、
謝恩碑前広場で記念式典が行われています。
恩賜林の恵みと、山林を荒廃させてしまった反省を、
いつまでも忘れないためのモニュメントです。
2016年10月4日 22:00