紹介した建物

第29回「小原屋 原田商店」(10月18日放送)

#29小原屋-原田商店フォーマット

 

富士川町、鰍沢の商店街にある「小原屋 原田商店」。

幕末の、安政の頃に建てられた商家が、残されています。

 

舟で物資を輸送した「富士川舟運」の、

拠点として栄えた鰍沢で、

小原屋は、主に「塩」の仲買業を営んでいました。

 

道路拡張で移築された「店蔵」は、

2階に虫籠(むしこ)窓のある、伝統的な店構え。

 

切妻造の、小ぶりな土蔵は「文庫蔵」。

 

富士川舟運の、重要な積み荷が「下げ米、上げ塩」。

 

下りの舟で、甲州や信州から幕府への年貢米を運び、

上りの舟で、塩が運ばれていました。

 

「塩蔵」の床は、脱水のため、竹が敷かれています。

遠く信州高遠へも運ばれた塩は、

「かじかざわ」と呼ばれていました。

 

敷地奥の、一番大きな建物が「油蔵」。

正面の腰壁は、強度と防火を考えた「なまこ壁」です。

 

塩と共に、油も扱っていた小原屋。

明治に入ると、横浜から、

ランプの燃料となる灯油を取り寄せました。

吹き抜けの蔵の中では、

扱っていた商品の歴史を垣間見ることができます。

 

 

流通の拠点として栄えた鰍沢、

幕末から近代化へ向かう激動の時代で、

山梨の流通を支え続けた建物です。

 

2016年10月18日 23:54