紹介した建物

第44回「栄久橋」(身延町)

 

身延町、身延山久遠寺の総門。

手前を走る国道52号・身延道のすぐ東側に、

昭和3年に架けられた「栄久橋」があります。

 

下を流れるのは、波木井川です。

 

明治時代まで、ここにはつり橋が架けられていました。

大正時代に入ると、急速に交通機関が発達、

つり橋では耐えられなくなりました。

 

総工費25,000円(現在でいうと、およそ1億円弱)で

架けられた新しい橋は、

全長32.2メートル、

幅4.6メートルの、

コンクリートアーチ橋。

 

昇仙峡の入口にある長潭橋、

甲州市の祝橋と共に県内に現存する、

3つのコンクリートアーチ橋のひとつです。

戦後、身延道は国道となり、

交通量はさらに増加、

そのため、橋の幅も広げられました。

 

昭和3年当時のままではないものの、

蔦が絡まり、歴史ある趣を残す橋。

 

シンプルな構造の、規模の小さい橋ながら、

道と共に、身延町、山梨の発展に貢献し、

近代化するまちを見つめ続けてきたのです。

2017年1月31日 23:00