紹介した建物

第50回「赤沢宿 大阪屋」

 

身延山の西側、中腹にある早川町赤沢。

 

「赤沢宿」は、身延山久遠寺と七面山を結ぶ巡礼の道の、

唯一の宿場町・「講中宿」として栄えました。

 

江戸時代からの講中宿・旅館、「大阪屋」。

 

軒下に吊るされているのは、

参詣者が残していった講中札「板マネギ」です。

 

元は平屋建の民家。

 

広い土間と床上6室を基本とした、

大きな農家の間取りでした。

 

参詣者の増加に伴い、明治初期に2階建てに改修。

改修時には、上質な建具も設置されました。

 

L字型の「通り土間」は、大勢の宿泊客が、

座敷に直接出入りできるようにしたもの。

 

土間の部分に床を張って客間にし、

増築された2階にも、たくさんの客間を設けました。

 

それでも部屋が足らない時は、

土蔵も宿泊に使われたといいます。

 

時代の流れには逆らえず、

2004年に閉館した「大阪屋」。

 

しかし2016年、

ゲストハウスとして生まれ変わりました。

 

宿泊者の8割が、外国からの旅行客です。

 

講中宿として栄えた山間の里。

 

昔ながらの旅館の雰囲気が、

時を超え、人々を魅了し続けています。

2017年3月30日 15:41