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第6回「郵便制度のはじまり」

向かい合った龍がデザインされた、「竜文切手」。

明治4年に発行された、日本で最初の切手です。

 

江戸時代の通貨単位のまま、4種類が作られました。

作ったのは、甲府出身の杉浦譲。

 

モダンな蝶ネクタイの姿は、フランスで撮影されたもの。

幕末の天保6年、甲府二十人町・現在の甲府市相生で、

甲府勤番同心の長男として誕生。

 

11歳で甲府学問所の「徽典館」に入学し、

19歳で助教授となるなど、

文武両道の天才児と言われました。

 

26歳で、江戸幕府の外交官となった杉浦。

フランスに2度派遣され、

エジプトのピラミッドやスフィンクスにも、日本人として初めて訪れました。

 

明治維新後は、新政府に採用され、

「日本近代郵便の父」と呼ばれる前島密と共に、

全国的な統一組織としての、

郵便事業の整備に取り掛かります。

 

フランスでの経験を生かし、制度設計やインフラ整備、

切手やポストの製造・デザインを行いました。

 

初代・駅逓正となった杉浦。

その指揮の下、明治4年3月1日、官営郵便事業が、

東京・大阪間で開始されました。

 

初日の郵便物は174通でした。

山梨でも明治5年、甲府、石和、勝沼、初狩など、

甲州街道沿いを中心とした8か所に、

「郵便役所」が設置されました。

 

谷村では、名家や資産家を説得し、

銅屋・鈴木与治右ヱ門(与次右衛門)が、

初代郵便取扱役に任命され、

その自宅に取扱所が置かれました。

 

数年後には全国津々浦々に広がった、

定額料金で利用できる郵便事業の創設。

日本の通信に革命をもたらし、

その後の近代化に大きく貢献したのです。

2018年5月11日 23:09